【 高見 順 】   たかみ じゅん   1907〜1965


明治40(1907)福井県三国町生まれ。本名は高間芳雄。父は当時の福井県知事・坂本ソ之助。昭和5年東京大学英文科を卒業。

在学中『文芸交錯』『大学左派』などの同人雑誌に参加。大学卒業後、コロンビア・レコード会社に勤める傍ら、日本作家同盟の一員として左翼文学活動を行う。


昭和8年新田潤らと『日暦』を創刊、同誌上に連載された処女長編『故旧忘れ得べき』で注目され、第1回芥川賞候補作に選ばれる。

戦時中は重苦しい時代を浅草風俗の中にちりばめた『如何なる星のもとに』で文名を高める。

戦後は自己の根源にさかのぼり、人間形成の跡をたどった自伝小説『わが胸の底のここには』を執筆。

晩年には、激動する時代の姿を描いた『激流』『いやな感じ』の野心作を発表。

その他『樹木派』『わが埋葬』『重量喪失』などの詩集がある。特に『死の淵から』は、死を直視した凄絶な魂の記録といえる。


日本ペンクラブ理事、文芸協会理事。昭和40(1965)歿、58歳。